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『ミステリー・メン』は、一回半ひねりの結構笑えるB級パロディー映画だった。

このお馬鹿コメディ、劇場未公開らしい。この前の『ギャラクシー・クエスト』なんかと同系列の一回半ひねりの結構笑えるB級パロディー映画だった。スーパーヒーローに憧れて、自分らもヒーローになりたいと熱望していヒーロー予備軍というか2軍選手たちの刻苦勉励・粉骨砕身・チーム一丸話だ。主要な登場人物は5~6人いるのだが、何かの映画で顔を見たような気がするような、せんような役者なんだ。つまりほとんど脇役だ。
 
脇役といってもアカデミー賞の助演賞にノミネートされたことがありそうなのは、『ファーゴ』のウィリアム・H・メイシーくらいじゃないかと思っていたら、グレッグ・キニアは、『恋愛小説家』でアカデミー助演男優賞にノミネートされていた(しかし、この親爺はこの映画では思いっきり脇役だった)し、ジェフリー・ラッシュは、『恋に落ちたシェークスピア』と『クイルズ』で、同じく助演男優賞にノミネートされていて、『シャイン』では、主演男優賞をもらったというバリバリのスター錦野だった(しかし、この親爺はこの映画では、脇役というより仇役だった)。
 
この映画、脇役に甘んじている連中が主役で、本来の主役が脇役の映画だから、主役は脇役にさせたらおもろいんじゃないかとプロデューサーが思ったのかもしれないが、失敗だった。やはり、脇役に華はない。
 
なんとも話が漫画チックなので、ひょっとしたら原作はコミックじゃないかと思っていたら、やはりそうだった。鞍馬天狗のおじさんも、月光仮面のおじさんも、元祖スーパーマンも、一応普段は仕事をもっていたが、この映画の2軍選手らは、何の仕事もしていないようだ。
 
怒りんぼのバイク野郎(一応主役っぽい。俳優だけじゃなくて脚本・監督もやるらしい多才なご仁だが、2枚目なのか3枚目なのかハッキリしない顔だ)しかり、ショベラー(この親爺は一番哀愁が漂っていた。『ファーゴ』の小心者カーセールスマンと違って、イカにも地道な家庭人という感じなんだが、嫁さんが気のつよいアフリカ系アメリカ人なところを見ると、前半生は結構波乱バンジョーだったのかも試練)しかり、ブルーの王子(このおにいさんは、スプーン曲げじゃなくて、フォーク投げの達人なんだが、いいところのボンボンみたいだった)しかり、スカンクマン(は虫類系の顔だ)しかり、ボーリング娘(目の上下のアイラインが強烈すぎ、服のセンスかなり悪し)しかり、誰も見ていないところだったら透明になれるという超能力者(?)の男の子は、まだ学生だろう。(ところで、ボーナス・トラックという特典映像の方を観たら、それぞれが職業を持っていた。悪を糾すヒーロー稼業は、一応ボランティアなんだ。本編でその辺りをすべてカットしたのは何故だろう?)
 
◆◆ネタバレ注意◆◆ もうひとり、ホンマもののスーパーヒーローというふれこみのキャプテン・アメイジングが、ペプシにスポンサー契約を降りられそうだと言って、ぼやいていたが、きっと後釜は、ペプシマンなんだろう。この親爺があっさり黒こげにされるあたりが、文字通りブラック・ユーモアだった。 
 
それから、あのヒーロー養成コーチが、まず最初にこれをしろと言ったのが針仕事だった。自らが着るコスチュームを自作しろというのは、正しい指導法だと思った。
 
スポーツでも、遊びでも、まずカタチから入る派だ。その気にならないと、何事も上達しない。その気になるためには、それらしい扮装が大事だ。うなるほど金を持っているのだったら、オートクチュールでも、ノープロブレムだが、先立つものが潤沢にないのだったら、自分で作るしかないだろう。スーパーマンのコスチュームも、きっと本人が作っていたのだ。世を忍ぶスーパーヒーローが、近所のショップにオーダーするワケにいかないだろうし、夜なべして作ってくれる母さんもいないだろうし。。。 ◆解除◆
 
マジシャンなんかもそうだ。トランプ持っているだけでは、マジシャンと言えない。何となくミステリアスなオーラがでているような、ある種いかがわしい雰囲気づくりが大事なんだ。ミスターマリックとか、ゼンジー北京とか、トランプを口から出すおにいさんとか、いかがわしい風貌と出で立ちこそがマジシャンの存在証明みたいなものだ。シルクハットに黒マントというクラシカルな出で立ちのマジシャン少なくなった。ラメ入りの燕尾服でも作ってみようかな・・・。何のために?
 
何の話?・・・そうそう、ご贔屓のトム・ウェイツが、マッド・サイエンティストの役で出ていた。この親爺、武器製造のプロなんだが、死の商人どころか、危険な武器は作らないというのがモットーだった。それから、ワケの分からん日本語の看板がでてきたが、あれって、『ブレードランナー』のパクリ?
 
この映画、それなりにCGとかで、お金が掛かっているのだが、いまいち話題性、ヒット性、観客の感情移入性(そんなのある?)に欠けるとこがあった。これが劇場公開されなかった理由だろう。悪役が弱過ぎるところ(手に汗を握る絶体絶命シーンとかも、作っておかないとダメじゃん)とか、半端なラブストーリー(お相手の女優さん『ジョー・ブラックをよろしく』で、ブラピのチェリーボーイ死に神と一戦交えた娘と違うか?)を挟み込んだところとか、思わず拍手喝采したなるようなスカッとする乱闘シーンとかがなかったところ(一番活躍したのはボーリングの球だったりして)などが、敗因だ。(誰が負けたんだ?)
 
ミステリー・メン Mystery Men (1999) アメリカ  
監督:キンカ・ユーシャー